開業において大事なこと
診療所開業にあたって最も大事なことは、どのような目的で開業するのかしっかり頭に描いて、文書化し、決心を固めることです。
たとえば自分の専門性を生かした診療を実践する、プライマリーケアに徹したい、老人中心の医療に貢献したいなどです。経済的に恵まれたいという目的でもいいでしょう。
はっきりとした目的と決心がないままに開業準備を始めますと、今まで経験したことのない煩雑な事務作業に嫌気がさしたり、時として壁に突き当たって無力感や挫折感を味わうことになります。
現在の勤め先の待遇が悪い、医局の人間関係がよくない、大学の医局人事に翻弄されて嫌になったなどの理由で、開業でもしようか程度の動機で始めますと後悔する可能性大です。きちんと仕事をすれば、毎月給料がもらえる勤務医の方が良かったと思っても後の祭りです。
開業の目的がしっかりしていれば、多少の困難は我慢できるでしょうし、それを乗り越えて目的を果たしたときの達成感は何ものにも代え難いものです。現在は、以前のように開業すれば何とかなった時代とは違います。これからの開業は目的に向かった揺るぎない決心と成功のための戦略が必要です。